前人未到の川口探検隊

テレビの音響効果は1970年後半から選曲重視の番組が増えてきていた。水曜スペシャルの川口探検隊シリーズもその一つで、1978年から始まったこのシリーズはどぎついタイトルで毎回視聴率も良かった。僕は1982年ころからこの番組の選曲をするようになるわけで、それまでは先輩のOさんの担当だった。この番組の選曲の特徴は、とにかく劇版系の音楽を使ってハリウッド的な演出効果を狙うというもの、そのため、とにかく映画音楽を聞きまくった。当時もっとも多用していたのはジェリー・ゴールドスミスで「猿の惑星」「カプリコーン1」(これは水スペのオープニングでよく使用していた)「Logan's Run」「カサンドラ・クロス」辺り、ジープの走りのテーマはSWATのテーマ、エンディングテーマはRocky1のA面3曲目🎵Going the Distanceだった。
でもこれらのテーマ曲は、すでに先輩のOさんが選んだものであって、引き継いだ当初はOさんが選んだものの中から選ぶという、選曲の選曲みたいな半端な仕事だった。
こういう状況のなかでプロデューサーから認められる存在になるためには、やはりオリジナルの仕事をするしかなく、新しい楽曲を開拓していくことは緊急の課題だった。
あともう一つ、探検隊の音響効果で必要なのはナレーションの末尾にくる「ガ〜ン」というアタック音で、Oさんはこれもレコードから見つけてきて付けていた。よく使ってたのは、ファンタズムのサントラ、DEATH WISHのサントラB面ラストの曲頭(これはハービーハンコックが音楽担当している)、それにヴァンゲリスの「天国と地獄」のA面ラストの曲頭あたりだった。
そこでぼくが考えたのは探検隊のオリジナルアタック音を作る、ということだった。

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