アフリカ音楽と出会った!
今年は猛暑もあり秋の気温の高さからか伊豆高原のコナラはまだ葉を落としきっていない。というよりこのまま冬を越してしまうんじゃないかと心配してしまう。
12月5日の晴れ豆ライブは無事終了、来てくれた人からは今までで一番よかったよ、という声もいただきまぁそれなりのライブになったのかなと安堵している。
当初、コラ奏者の安田(ヤクバ・ジャバテ)さんとのコラボだったのだが、安田さんの提案で、師匠のカラモ・シソコさんにも登場していただくことになった。それも最初にお声がけした時はなんの反応もなかったので諦めていたら、突然、「いいよ」という返事をいただき急展開。
でも練習には参加しないし、当日のリハもやらないと聞いていたので全くもってどうなることやらという感じで当日を迎えたのだ。
安田さんは歳も僕と一緒、仕事はフリーのデザイナーということもあり最初に会った時からなんとなくウマが合う感じがした。僕の作った曲にも真摯に対応してくれて、なおかつ提案もしていただき、自然といい方向に向かった気がする。若い頃単身セネガルに行きサバールやコラの指導を受けたという積極性は今もどこかに残っているのか、僕らと会ってからも師匠であるカラモさんを誘いましょうとか、中島さんもコラを習いませんかとか、いろいろ提案をしていただき助けられた。
事前の練習もなく当日初めてお会いしたカラモ・シソコさんは、一目会った瞬間、この人はいい人だと思った。
彼はセネガルのグリオの家系に生まれ、生まれた瞬間からコラを弾くことを背負っていた。
グリオは吟遊詩人のような存在で王様の側で何かあればコラを即興で演奏し、王様を讃えたり、慰めたりする非常に格のある音楽家。今はアフリカンミュージックが注目を浴びコラは伝統的な縛りから解き放たれて演奏する機会が増えたようで、カラモさんもいろいろなミュージシャンと一緒に演奏する機会が増えたそう。
アフリカの音楽と直に接するのは初めてで、これまでヨーロッパのアカデミックな教育を受けてきた音楽家からするとその音楽感の違いの大きさに驚くばかりだった。ただ幸いにも僕はロックやJazzもかなり聞いていたのでわかってしまった後はそれなりに順応できた気がする。
アフリカ音楽の一番の特徴は音楽の構造が円環していること。
だから西洋の音楽のように直線的に流れるものと違い、始点、終点の概念も希薄だ。なんとなくチューニングしながら始まった音楽は、シンプルなコード進行がループしていく。それぞれの演奏家は周りの雰囲気を見て、聴いて、演奏への関わりを判断していく。それはヨーロッパの信号のないくるくる回る交差点、ラウンドアバウトに似ていて、適当に入っては出ていくスタイル、コラは通奏低音の役割も兼ねているから音が途切れることはないのだ。そしてコラ奏者は歌いたくなれば歌うし、演奏に少し変化をつけながら(コード進行は変わらない)テンポアップしたり落としたりしてアドリブでメロディーを重ねていく。そろそろ終わろうかなぁと思えば、少し音の数を減らして空間に隙間を作りテンポを落として周りの演奏家に、そろそろ終わるよ〜と伝える。で持って最後はコラ奏者が演奏を引き取りなんとなく終わる...といった感じ。
だから、のれば演奏は盛り上がり長く続くし、ノリが悪いと歌も歌わないそうで、、なんとも不安なライブ前だった。
この音楽スタイルこそが、黒人が奴隷船に乗せられて運ばれたアメリカのJazzにつながっていったのだと、直感的にリアルに理解できたことは
今回の大きな収穫の一つ。
そして晴れ豆でのその音楽の存在感は圧倒的で、僕が時間をかけてコンピューターで作った音楽以上にその場にインパクトを与えていた。
そこが全くもって音楽の不思議で面白いところであるのだな。
安田さんのおかげで一生の記憶に残るライブになったことは間違い無いと思う。いやぁ〜いい勉強させてもらいました。
さてさて、この大きな一歩を来年、マリンバの松本さんにどうつなげるか.....想像するだけで楽しくなるね!